家具小売り大手の「イケア・ジャパン」が制服の着替え時間について出金時・退社時に1律5分、1日10分を労働時間に含めるとしました。
イケア・ジャパンは、「着替え時間に関しては、関連法令に明文の規定もなく、判例上の基準も曖昧な部分があることから、実務上見解の分かれる点について不明確性をなくし、従業員有利の方向で明確な取扱いを設定するものとしました」とのこと。
着替え時間が労働時間に含まれることで年間約4万円の給料アップになると試算されます。(週5日、20日勤務の場合)。
最高裁は過去に「使用者の指揮命令下に置かれている時間」を労働時間とし、着用を義務づけられた制服などへの着替え時間も労働時間に当たるとの判断を示しています。
この「着替え」時間を各社一律に勤務時間換算により明確にすることは難しく、曖昧さが残ってしまいます。
イケアの場合、シャツ、パンツ、靴を会社指定のものを着用する必要があるようで、着替えにはそれ相応の時間がかかっていたようです。
勤務時間と位置付けるのには、
1 制服への着替えが事業所のルールとなっている(制服着用が義務)。
2 着替えの時間にそれ相応の時間がかかる。
などの前提があってこそ、勤務時間として算出できます。
例えば、上着を着用するだけで制服へ義替えが完了する場合(着替えにはあたらないかも知れませんが)などは、時間算定は難しいでしょう。
(それを、使用者側が時間換算して勤務時間に加算することは、労働者側有利ということで、何ら問題にはなりません。)
この度のイケアの改善は、労働者の働く意欲を向上させるものです。
使用者の改善努力は、事業の発展にも繋がるものとなるでしょう。
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