労働保険・社会保険

 

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労働保険とは

労働保険とは、次の2つの保険を総称した言葉として使われています。

1 労働者災害補償保険(「労災保険」)

2 雇用保険

労災保険、雇用保険は、それぞれ違った法律により、別々の保険制度として成り立っています。

労働保険

これらの保険は相互扶助(※)の精神の基に運営され、保険の構成員である加入者には保険料の支払い義務が生じます。それぞれの保険を運営するための保険料は、一体的に「労働保険」として徴収されます。

(※)相互扶助とは、社会・組織の構成員同士が互いに助け合うことを言います。

相互扶助のイメージ

労災保険は「労働者災害補償保険法」に規定されており、労災保険制度の内容や目的が定められています。

雇用保険は「雇用保険法」に規定されており、雇用保険制度の内容や目的が定められています。

 

また、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」という法律で、2つの保険制度について、一体的にそれぞれの、保険の成立・消滅労働保険料の納付及び徴収方法などについて定められています。

 

私がこの制度について学び始めたときは、労働保険制度の構成がピンときませんでした。

「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」の位置付けが理解し難かったように思います。

 

なぜ「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」があるのか。

労災保険、雇用保険(その昔は「失業保険」という制度でした。)の制度ができた頃は、それぞれの制度のなかで、それぞれの保険の成立・消滅、そして保険料を徴収していました。

ところが、この制度の普及が進むにつれ、制度が複雑化し、加入者である事業主の事務処理負担が増えてきました。

そこで事務処理の効率化を図ることを目的として「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」が成立し、現在の制度として定着してきたという経緯があります。

 

ここからは、各制度についてご説明します。

 

【労災保険とは】

労災保険

 

労災保険は、業務上の災害、通勤による災害により負傷した場合、病気になった場合、障害者となった場合、あるいは不幸にも死亡した場合などに被災労働者や遺族を迅速かつ公正に保護するために必要な保険給付を行います。

また、被災した労働者の社会復帰の促進等の事業も行っています。

費用は、原則として事業主が保険料を負担します。

使用者は労働者の業務上の傷病について無過失責任を負います。

この災害補償責任の実行を確実なものとするため、国が行うこの制度に事業主は保険料を支払う必要があります。

 

労災保険の給付の適用を受けるためには、「業務遂行性」、「業務起因性」がなければなりません。

1 業務遂行性

 労働者が労働契約等に基づき、事業主の支配下にある。

2 業務起因性

 傷病等が業務に起因して生じたものである。

 業務と傷病等との間に相当因果関係が存在する。

 

加入要件

労災保険は、原則として 一人でも労働者を使用する事業は、業種の規模の如何を問わず、すべてに適用されます。
ここでいう労働者とは、職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者をいいます。正社員はもとより、アルバイト、パートタイマー、日雇労働者、外国人労働者も適用労働者です。

パートアルバイト

 

ほとんどの事業所は強制適用事業所となりますが、例外的に強制適用とならない事業所(暫定任意適用事業所)と適用自体が除外される事業所があります。

(暫定任意適用事業所)

労災保険は、原則として労働者を使用するすべての事業に強制的に適用されますが、農林水産業の一部については暫定的に「任意適用事業」とされています。暫定任意適用事業の範囲は次のとおりです。

1 農業(畜産養蚕の事業を含みます)

 常時5人未満の労働者を使用する個人経営の事業

2 林業

 労働者を常時には使用せず、年間使用延労働者数が300人未満である個人経営の事業

3 水産業

 常時5人未満の労働者を使用する個人経営の事業

 

この任意適用事業の事業所は、労災保険の強制適用外となりますが、厚生労働大臣の認可を受けることで労災保険に加入することができます。

 

(適用除外)

適用自体が除外されています。

1 国の事業

 国家公務員災害補償法の適用があります。

2 官公署の事業

 国家公務員・・国家公務員災害補償法の適用があります。

 地方公務員・・地方公務員災害補償法の適用があります。

※公務員であっても現業かつ非常勤の地方公務員は労災保険の適用となります。

 

この保険は、労働者に対して補償を行うことを目的としており、原則、事業主は加入できません。

※一定の条件を満たす事業主は、特別加入という制度を利用して加入することができます。

(当事務所でも加入の手続きが取れます。こちらをご覧下さい → 労災保険の特別加入

 

では、労災保険には、どのような給付があるのでしょうか。

各給付の役割ごとに整理をしますと次のようになります。

 

労働者が業務上の原因により、負傷疾病したとき

 療養(補償)等給付

 傷病(補償)等年金

 休業(補償)等給付

 介護(補償)等給付

 

労働者が業務上の原因により、負傷疾病し治癒したが、障害が残ったとき

 障害(補償)等給付

 介護(補償)等給付

 

労働者が業務上の原因により、亡くなったときご遺族へ

 遺族(補償)等給付

 葬祭料等(葬祭給付)

 

労働者に定期健康診断等で異常の所見があるとき

 二次健康診断等給付

 

各給付の内容をご覧になる場合は、各給付の文字をクリックして下さい。

新しい画面が開きます。(※作成中)

 

繰り返しになりますが、労働者災害補償保険の費用は、労働者からの徴収はなく、事業主から徴収します。

労働災害が起きた場合、労働者への補償は事業主に義務があります。

「労働基準法」で災害補償について、事業主の補償義務が定義されています。

(労働基準法 第八章 災害補償)

(療養補償)
第七十五条 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。
② 前項に規定する業務上の疾病及び療養の範囲は、厚生労働省令で定める。
(休業補償)
第七十六条 労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。
② 省略。
③ 前項の規定により難い場合における改訂の方法その他同項の規定による改訂について必要な事項は、厚生労働省令で定める。
(障害補償)
第七十七条 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり、治つた場合において、その身体に障害が存するときは、使用者は、その障害の程度に応じて、平均賃金に別表第二に定める日数を乗じて得た金額の障害補償を行わなければならない。
(休業補償及び障害補償の例外)
第七十八条 労働者が重大な過失によつて業務上負傷し、又は疾病にかかり、且つ使用者がその過失について行政官庁の認定を受けた場合においては、休業補償又は障害補償を行わなくてもよい。
(遺族補償)
第七十九条 労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の千日分の遺族補償を行わなければならない。
(葬祭料)
第八十条 労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、葬祭を行う者に対して、平均賃金の六十日分の葬祭料を支払わなければならない。

事業主は労働者一人ひとりについて、大きな責任を負っています。

その大きな責任の補助となってくれる制度が、労働者災害補償保険です。

労働者を守るとともに事業主を守ってくれる、とても優しい安心できる制度です。

 

※↓以下、作成中です。m(__)m

【雇用保険とは】

労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進を図る制度です。

失業の場合などには、就職活動を支援し、また、教育訓練なども行い、その間の生活補償として、失業等給付を支給します。

また、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進等をはかるための事業も行っています。

 

加入要件

次の要件に該当する労働者は、事業所規模に関わりなく、原則として全て雇用保険の適用となります。

1 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

2 31日以上の雇用見込みがあること

 

「31日以上の雇用見込みがあること」とは

31日以上の雇用が継続しないことが明確である場合を除き、この要件に該当する。

たとえ次のような場合、雇用契約期間が31日未満であっても、31日以上の雇用が見込まれるものとして、2の要件が適用されます。

① 雇用契約に更新する場合がある旨の規定があり、31日未満での雇止めの明示がない。

② 雇用契約に更新の規定はないが、同様の雇用契約により雇用されたものが31日以上雇用された実績があるとき。

 

社会保険とは

社会保険とは健康保険、介護保険と厚生年金を総称した言葉です。

社会保険

【健康保険とは】

事業所で雇用される労働者を被保険者とする医療保険。

被保険者の業務外の事由による疾病、負傷、死亡または出産について保険給付を行い、併せてその被扶養者の疾病、負傷、死亡または出産について保険給付を行い、生活を安定させることを目的とした制度です。

(業務外とは、労災保険から給付がある業務災害以外の場合を言います。)

保険者が政府である政府管掌健康保険と保険組合の組合管掌保険とがあります。

 

加入要件(ここから作成必要)

労災保険は、原則として 一人でも労働者を使用する事業は、業種の規模の如何を問わず、すべてに適用されます。
ここでいう労働者とは、職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者をいいます。アルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ありません。

 

 

 

 

 

 

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